華僑華人ネットワーク - コロナ後の人生。| 気づきに満ちた世界と私
2021年12月28日

「華僑・華人ネットワーク」の 世界的影響力〜中華圏ビジネスで成功するためのカギとは〜

2021年も残りわずかとなる中、国際情勢においては北京冬季五輪をめぐる「外交ボイコット」による米中“角逐”が“演出”され、ロシア勢の軍事行動リスクが“喧伝”されているところで、
『日本経済新聞』は2021年12月19日の記事にて年末の世界の焦点を3つの「A」としてまとめています(参考)

その「A」とは、「米国勢(America)」、「同盟国(Allies)」、「専制主義(Autocracy)」です。
確かに、バイデン米政権は、ここにきて、コロナ対策、物価上昇、与野党対立という「三重苦」により支持が急降下しており、
年末年始にかけて「米国勢(America)」が外交において起死回生策に打って出る可能性も考えられます。
また、去る9月には米英豪による安全保障枠組み「AUKUS」、日米豪印戦略対話「クアッド」が発足した中で、
12月には、米国防総省にて「AUKUS」の初会合が開催されました。
また、「クアッド」については、来年(2022年)に我が国で開催することで合意されたとの情報もあり、
これら「同盟国(Allies)」の動きとそれに対する中国勢から何らかの“反抗”が“演出”される可能性も否定できません。
他方で、2021年12月9日〜10日にバイデン米大統領が主宰し、オンライン形式で行われた「民主主義サミット」についても、
主宰者である米国勢自身の民主主義も危ういという中で、専門家からも「大山鳴動して鼠一匹」、「学会発表のようだった」など、
冷ややかな反応がでており、「専制主義(Autocracy)」を含め非民主主義的なスキームが改めてハイライトされる気配すらああります。

(図表:「学会発表」とも揶揄された「民主主義サミット」)

(出典:アルジャジーラ)

もっとも、これら3つの「A」すべての根底に流れる動きこそ中国勢の動向であり、世界史上において多大な影響力を行使してきました。
そして今もグローバル社会において影響力を誇示している「華僑・華人ネットワークのハイレヴェル」の意向に目を向けなければならないのではないでしょうか。

(図表:「日本三大中華街」の一つである神戸・南京町)

(出典:筆者撮影)

例えば、米国勢との関係では、その成立の段階から実際のところ華僑・華人ネットワークのハイレヴェルからの莫大な財政支援の下で、
19世紀後半以降成り立ってきたとの歴史を持つ点があります。また、戦後つくられたブレトンウッズ体制は「金融・融資・貿易」の3本柱でしたが、その背後には華僑・華人ネットワークのハイレヴェルが「中華民国」という形でそれぞれに対して深くコミットしたことが挙げられます。

米政界とのつながりも長く深い歴史があります。
とくに、リチャード・ニクソン米大統領による電撃訪中以降は、中国共産党勢という意味でのチャイナ・ロビーの影響力も次第に増強しています。
トランプ前大統領が自身のSNS立ち上げのために設立した「デジタル・ワールド・アクイジション(DWAC)」にも、
表向き中国勢のメディア王ブルーノ・ウー氏も関与する形で、中国共産党勢によるチャイナ・マネーが流入していることも指摘されており、これはトランプ氏にとっても想定外であったとの情報もあります(参考)
去る2020年の米大統領選は「ロシア・ゲート」が焦点となりましたが、
来たる2024年の米大統領選では、あるいは「チャイナ・ゲート」が“喧伝”される展開も考えられます。

そもそも歴史上、中国大陸から海外への「移民ブーム」は3度ありました(参考)
1回目のブームは、清朝の支配が安定し、急速に中国経済が発展して人口が増加した18世紀後半に到来しました。
この時、東南アジア勢や、一部は米国勢へ流出し現在世界に分布する「チャイナ・タウン」の原型が形成されました。
中国近代史上最も激動の時期であった20世紀初頭には、2回目のブームが到来しました。この時期には貧困層の他、上流階級も広く世界に広がっていきました。
1970年代末頃には、鄧小平の指導体制の下で行われた「改革・開放」政策によって中国社会の近代化が始まると同時に、3回目のブームが到来しました。彼らは、「新華僑」と呼ばれ、それ以前に流出した「老華僑」とは区別されています。階層も、「新華僑」は高学歴者、社会エリート、富裕層が多くを占めています。

他方で、我が国では、「老華僑」「新華僑」の時代的区分は、1990年代ともされています。
実際、筆者が神戸・華僑より側聞した情報によると、それ以前は「老華僑」、以降は「新華僑」とされているのが実態であり、
彼らは我が国における情報収集においても違いがあるといいます。すなわち、「老華僑」はほぼ我が国に同化し、情報も我が国のメディアから得ているが、
他方で「新華僑」は我が国においても中国勢の検閲を経たソース、例えば、「WeChat」などからしか情報を得ておらず、いわば「洗脳」されている状態にあるといいます。
それゆえ、とくに若い世代の「新華僑」をビジネス的に取り込むには、やはり「WeChat」などを活用して情報発信するのが有効となるとの由だ。

「グローバル・マクロ(国際的な資金循環)」というマクロ的な視点でも、他方で、我が国で中国ビジネスを展開するというミクロ的な視点でも、
いずれにしても、華僑・華人ネットワークの動向がカギになる点に変わりはなく、このカギをつかむことで、あるいは今後の米中関係、
そして世界の把握した上での「次の一手」を打ち出すことになるのではないでしょうか。


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