2021年03月28日

「遠隔操作マシンガン」がもたらす新しい暗殺スタイル

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去る11月27日(テヘラン時間)、
イラン勢で最も著名な核科学者モフセン・ファクリザデ(Mohsen Fakhrizadeh)が
テヘラン近郊で殺害された旨報道されました(参考)

 

(図表:Mohsen Fakhrizadeh)

(出典:Wikipedia)

 

モフセン・ファクリザデはイラン勢の核開発に関わる「防衛開発研究機関(SPND)」代表を務めており、
同機関は去る2019年3月に米国勢から制裁対象と認定されています。
この制裁措置の背景として核合意失効後に再び核開発が行われることへの懸念と
若い研究者が核開発に関わらないようにけん制する目的があるとされています(参考)

今回の暗殺に関して当初イラン勢の国防総省は
武装テロリストがモフセン・ファクリザデの乗っていた自動車を襲撃し、
7人の襲撃犯とモフセン・ファクリザデ側のボディ・ガードとの間で銃撃戦があったと説明していました。
またテロリストとされる3,4人が殺されたという目撃情報も伝えられていました。
さらに現場の近くで証拠隠滅のため日産車が爆発したとも報じられました(参考)

イラン勢の外務大臣モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ(Mohammad-Javad Zarif)は
ツイッターで「テロリストがイランの著名な科学者を殺害した」とし「この卑劣な行為は、
イスラエルの関与が強くうかがえるものだ。
戦争を引き起こそうと必死の様子だ」と批判し、
国際社会に対し「国家によるテロを非難する」よう求めました(参考))。

しかし11月29日(テヘラン時間)になると説明は一転し、
暗殺者の集団がその場にいたのではなく先の不審な日産車に設置された遠隔操作の
自動機関銃からの発砲により殺害されたとの報道に変わったのです(参考)
この日産車は証拠隠滅のために発砲後爆破されたといいます。

ここで使われた自動機関銃は高度なカメラとAIを搭載しており衛星経由でオンライン制御されていました。
3分足らずで砲撃がなされ、25センチメートルしか離れていなかった
モフセン・ファクリザデの妻には発砲がされなかったといいます(参考)

イラン勢は本件で使われた銃に「イスラエル製」という文字が刻印されていたということを根拠として
イスラエル勢を非難しています(参考
ここで疑問となるのはイスラエル勢が関与しているとすれば、
そして証拠隠滅のために使用した車を爆破までしているとすれば、
なぜ使用した銃に「イスラエル製」などと刻印したのかという点でしょう。
イラン勢は少なくとも核兵器を巡ってイスラエルと対立する構図を改めて打ち出したいと分析されます。

一方、本件で使われた遠隔操作の自動機関銃の高性能さも明らかです。
今後暗殺には同様の遠隔操作が主要な手段となっていくことが考えられます。
このことがもたらすのは暗殺犯側の危険が大幅に低下する暗殺です。
それは同時に第三者への責任転嫁もより簡単になることでしょう。
遠隔操作武器の今後について引き続き注視していきたいと思います。







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