2021年03月14日

コロナで炭酸飲料が飲めなくなる日。‐世界でドライアイス争奪戦が始る‐

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日本の厚生労働省が先月1月15日、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種及び供給体制について明らかにしました。(参考)
日本政府は年内に7200万人分のワクチン供給を受けることで米ファイザー社と契約しましたが、
同社のワクチンはマイナス75度前後での保管が必要となるのです。
政府はワクチン保冷用のドライアイスを一括調達し医療機関に供給するとしています。

ここで問題となるのがドライアイスです。
上記の温度でのワクチンの輸送にあたってはドライアイスの需要急増が予測されます。
すでにワクチンの接種が始まっている米国勢ではワクチンの輸送に伴うドライアイス需要の急増により食品をはじめとする他の物流にも影響が出ることが懸念されています(参考)
ドライアイスや炭酸飲料に使われる液化炭酸ガスは主に原油の精製過程で副産物としてでる気体の二酸化炭素を利用して作られます。「脱炭素化」などによるエネルギー需要の変化を受けて従前より液化炭酸ガスの原料不足が指摘されていました(参考)

日本においても2010年代初頭より液化天然ガスの供給不足が懸念されてきました。これに対処するため、工場で大気中に排出している炭酸ガスを回収することによる液化炭酸ガスの製造(日本触媒)やアンモニア製造過程で複製する炭酸ガスを原料とした液化炭酸ガスの製造(宇部興産)といった方策が模索されてきました。
しかし2020年にもこうした傾向は変わらず、同年8月にはドライアイスと同じ液化炭酸ガスを原料とする炭酸飲料の供給への影響が報じられています(参考)

(図表:ドライアイス)

(出典:Wikipedia)

加えてドライアイス自体の生産について日本では「ドライアイスメーカー会」に参加する8社のみによって担われています。さらにドライアイスはマイナス79度を上回ると気化してしまうため備蓄にはコストがかかることからそもそも在庫がほとんど存在しない点も特徴です。
政府が年内に供給を予定している7200万人分のワクチンを輸送するためには日本における年間生産量のおよそ30万トンを数万トン超える量のドライアイスが必要とされます。これまで供給不足分については韓国からの輸入に頼ってきたものの、ワクチンの輸送のために大量のドライアイスを必要とする状況は同国においても同様であり、したがって日本への輸出量は大幅に減少する可能性があるでしょう。

こうした中でワクチンの輸送手段として日本はどういった手段をとるのでしょうか。
パナソニック社はマイナス70℃の環境を最長18日間保持できる真空断熱保冷ボックスの開発を発表している(参考)。冷却にはドライアイスが必要であるものの、同社の従来開発品と比較して保冷能力は30パーセント向上しているといいます。
低温輸送容器を製造するスギヤマゲン社もドライアイス20キロでマイナス70度以下を約12日間保持できる断熱ボックスを開発しています。ワクチンの輸送には通常製造に特殊な機械を必要とする粒型のドライアイスが使われるところ、同社の輸送容器ではより一般的な角形のドライアイスが使用可能である点に特徴があります。

今後ワクチン・マーケティングの進展により、ドライアイスや低温輸送機を巡り更なる需要の高まりと開発が進められることになるのでしょうか。

パナソニック社はマイナス70℃の環境を最長18日間保持できる真空断熱保冷ボックスの開発を発表している(参考)。冷却にはドライアイスが必要であるものの、同社の従来開発品と比較して保冷能力は30パーセント向上しているといいます。

低温輸送容器を製造するスギヤマゲン社もドライアイス20キロでマイナス70度以下を約12日間保持できる断熱ボックスを開発しています。ワクチンの輸送には通常製造に特殊な機械を必要とする粒型のドライアイスが使われるところ、同社の輸送容器ではより一般的な角形のドライアイスが使用可能である点に特徴があります。

 

今後ワクチン・マーケティングの進展により、
ドライアイスや低温輸送機を巡り更なる需要の高まりと開発が進められることになるのでしょうか。







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