2021年04月13日

デジタル通貨はどこまで信頼できるのか:中央銀行の「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」という密やかな企て。

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中国が「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」に関するグローバル・ルールを提案した旨の報道がなされています(参考)
中国は去る2014年来、世界に先駆けた中央銀行デジタル通貨(デジタル人民元)の導入に注力してきました。これを推進する中国人民銀行(PBOC)のデジタル通貨研究所局長が国際決済銀行のセミナーにおいて中央銀行デジタル通貨発行に関わる一連のルールを提案したのです。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入の議論は世界的に活発に行われています。しかし特に資本主義国においてはその導入により中央銀行以外の民間銀行の地盤沈下を招くといった問題が懸念されており、実現には至っていないのが現状です。

こうした中、日本の中央銀行である日本銀行(以下「日銀」)は去る(2021年)3月26日、「中央銀行デジタル通貨に関する連絡協議会」を新たに設置すると発表ました(参考)
日銀は直近での中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行は予定していないものの、将来的にこうした決済システムが世界のスタンダードとなる可能性から「準備をしておくことが重要」である旨、同「連絡協議会」冒頭あいさつにおいて日銀総裁が述べています(参考)。
また中央銀行デジタル通貨(CBDC)の決済システムを担うのが民間企業となることなどから、今月(2021年4月)開始予定の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験の円滑な実施に資するよう、民間事業者との情報共有を図ることが同「連絡協議会」の目的であるとしています。

では日銀はどのような中央銀行デジタル通貨(CBDC)を構想しているのでしょうか。
2020年7月2日、日銀は「中銀デジタル通貨が現金同等の機能を持つための技術的課題」と題したレポートを発表しました。
ここでは中央銀行デジタル通貨(CBDC)が現金と同等の機能を持つために「ユニヴァーサル・アクセス(電子端末へのアクセスが難しい子どもや高齢者の考慮)」と「強靭性(地震等の災害時にも利用できるオフライン決済機能)」が要件とされます。さらに同レポートではブロックチェーンを含む分散型台帳技術(DLT)の活用が示唆されています。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)はもともと、デジタル化の中キャッシュレス社会が推進されるとともに是非が議論されてきました。
ビットコインをはじめとする多くの仮想通貨はブロックチェーンをその取引データ(トランザクション)の技術的基盤としています。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)が世界規模で発行されその特性が最大限活かされるためには、各中央銀行デジタル通貨(CBDC)インター・オペラビリティ(相互互換性)が重要となります。
こうした観点から中央銀行デジタル通貨(CBDC)がもし発行されるとすればブロックチェーンを基盤としたものとなる可能性が高いと言えるのではないでしょうか。

ブロックチェーンは「ハッシュ関数」と呼ばれる取引データの暗号化技術などを用い、改ざんされることはないとされていました。
ところが去る2018年には国産仮想通貨である「モナコイン」が大規模攻撃を受けブロックチェーンの書き換えにより1000万円以上の損害を受けたのです(参考)
また翌2019年にはビットコインやイーサリアムでもデータの書き換えによる二重引き出しといった手法でのハッキングが行われました(参考)
これらの実行された手口に対しても現状対抗策は出されていません。

加えて2021年2月末から我が国のメガバンクのひとつであるみずほ銀行ではシステム障害が相次ぎ、通帳がATMに取り込まれるなどといった事例が相次いだことも記憶に新しいのではないでしょうか。
民間企業が中央銀行デジタル通貨(CBDC)全体の決済システムを担うとき、こうしたトラブルが起これば決済システムは機能するのでしょうか。

中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入への動きは、デフォルトへのカウントダウンとなるのでしょうか。







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