2021年03月28日

韓国企業躍進の裏にあった日本企業のうま味。それが今、囁かれ始めた朝鮮半島統一により、失われるのか。

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韓国経済の凋落が叫ばれるようになってきて久しい。
数年前であれば日本の名だたるメーカーを抑えて韓国の電化製品や自動車など広く欧州やアジア地域でもてはやされてきました。
未だある程度の人気こそ保つことが出来ているものの、韓国経済の低迷が徐々に囁かれてきています。その原因の1つとして中国への輸出製品が米中貿易摩擦の影響を受けて低迷していることが考えられています。

例えばサムスン電子は韓国経済を支える柱ともいえる企業です。同社はスマートフォンやテレビといった最終財の製造・販売メーカーとして日本でも非常に有名です。また半導体製品のメーカーとしても国際的に有名です。米国が中国との貿易摩擦の結果として科した追加関税のあおりを受ける形で韓国の対中輸出も大きな衝撃を受け、その衝撃によって最も大きい売上幅縮小を見せることになったのです。

サムスン電子のお家芸ともいえるメモリ事業は「メモリ・バブル」ともいえる活況の内は好調を維持してきたものの、同社のメモリ事業の“凋落”を受けて一気に転落し始めた と言われています。
スマートフォン・マーケットそのものにおける需要低迷も同社やその他の韓国企業の業績悪化に対してさらに追い打ちをかける形になっています。テレビ用のディスプレイなどでも後進企業の成長のあおりを受けるように苦戦を強いられています。

韓国の主要なエアラインであるアシアナ航空がこの度売却に出されることになったという事実も韓国経済“凋落”を示す大きな出来事ではないでしょうか。アシアナ航空は韓国の財閥である錦湖アシアナグループの傘下ですが、このニュースが意味するところは韓国の財閥企業経営という根幹が揺れ始めたということを意味しています。

他方で、中国からは韓国のダンピングを指摘する声も上がっており、韓国経済がいよいよ窮地に立たされています。
このようにかつては栄華を誇った韓国であるものの、ここにきてむしろ厳しい立場に立たされていると言えます。
日本にとっては一見すれば競争相手である韓国の輸出とそれに伴う経済不調は朗報であるともいえます。国際マーケットで勝負している相手方が失速することになるからです。製品の質の高さはお墨付きだが韓国製品より割高というイメージを持たれてきた日本のメーカーにとっては今がチャンスと言える一方で、実は韓国経済の好調が日本の経済を支えてきた側面も実はあるのです。

韓国製品の屋台骨を支える日本の技術・・・
韓国メーカーと国際マーケットでしのぎを削る日本企業、というのが一般的に語られるイメージです。
しかしアジア経済危機後は韓国の財閥メーカーであるサムスン電子やSK、LGといった名だたる企業群が日本のシャープにパナソニック、日立といった有名企業がシェアを守ってきた牙城を崩してきたのです。しばらくするとウォン安の影響を受けて、欧州やアジア地域で韓国製品がマーケットを席巻するようになりました。その結果表向きはマーケット・シェアを奪われ、日本の輸出企業の低迷と日本経済全体への悪影響へと繋がったと言われています。
しかし日本経済全体として見れば必ずしも負けっぱなしではなかったのです。韓国の電化製品製造の際に、その最終製品の部品を細かく見ていくと、実は多くの日本製中間財が含まれていることに気づくことができます。特に鉄鋼製品やコンピューター・スマホ用の中間素材について、アジア通貨危機後の韓国が復活する際に日本製品が支えてきたことが分かっている。つまり例えばサムスン電子がスマートフォン・マーケットなどで快走すれば、他方で日本のLED大手のクラレや半導体大手のディスコが躍進するというわけです。

この仕組みが実は日韓双方にとってうまみのあるスキームであることはご存知でしょうか。日本の最終製品が直接海外マーケット・シェアを落とす一方で日本の中間財を使った韓国製品が売れることで、日本が直接海外に商品を売り込むよりもコストが安く済むのです。
特に海外の企業に生産・販売をしてもらいそこで得た収益を配当という形で本国に戻すことで関税負担を抑えることができます。中間財貿易は最終財を自ら作って売る場合と比べれば、消費税や関税を価格に上乗せしなくてよくなるため、日本の半導体メーカーなどにとって大きな収入源として実は密かに使われているのです。

このようなスキームの下で実は韓国経済好調のうまみを得てきた日本ですが、翻って見れば韓国経済の低迷がそのまま日本経済へ悪影響を及ぼしかねないということであるのです。もちろん、韓国が世界市場でシェアを落とすことで日本企業が再び進出する可能性もありますが、同分野での中国の躍進なども考慮に入れると、やはり中間財による売り上げが主とならざるを得ないのです。では今後どのようなリスクが韓国経済あるいは日本経済を待ち受けているのでしょうか。そのカギはもう1つの隣国にあります。

韓国経済と日本の中間財メーカーの関係性を考えてきましたが、これからも同スキームは継続されるのでしょうか。
その際に重要な要素となる可能性があるのが実は隣国北朝鮮です。北朝鮮は同地域に豊富な天然資源が埋蔵されている蓋然性が高い のをご存じでしょうか。レアメタルやその他天然資源は韓国経済を支える電子メーカーが重宝している半導体製品を生み出すために欠くことが出来ない重要資源です。現状、北朝鮮は自由に貿易が出来ない状況に追い込まれています。北朝鮮は日本との関係では拉致問題の解決が未だであるだけでなく、国際的にはやめるそぶりを見せない核開発と挑発的なミサイルの発射実験を繰り課したことで経済制裁を受けており、とても経済発展とは遠い状況にあると言わざるを得ません。

しかしながら他方でにわかに囁かれ始めた朝鮮半島統一が大きな変化をもたらす可能性があるのです。
朝鮮戦争の勃発がその要因とも、あるいは米国と北朝鮮の大団円も韓国経済の凋落を後押しし、朝鮮半島統一を達成することになる可能性があります。仮に朝鮮半島統一が達成された場合、有り得るのは南北共同事業の再開、すなわち経済交流の再開です。
統一国になる以上資源の利用も一層進むことになる蓋然性が高く、ついには「Made in (United) Korea」がマーケットに多く現れるようになる日も決して遠い未来ではないのです。
しかもある最終製品に占める部品等の原産地も朝鮮半島の純正に出来る割合が増えるはずです。技術的な進歩という面で南北がどのような協力・統合を進めるのかは現時点で不明瞭ではあるものの、可能性として考慮に入れるべき要素でしょう。

日本に関して言えばこれまでの中間財貿易のスキーム変更を余儀なくされる可能性があります。半導体メーカー全体の業績にも影響があるものと考えられるのです。アジア・マーケットの再編を受けて日本が引き続き存在感を示すには製品の品質や性能の向上も含めた刷新が必要です。日本マーケットを考える際には忘れてはならないのが、切っても切り離せない隣国の存在でしょう。






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