2021年03月27日

数年後にお肉が食べられなくなる日が待っている現実。富裕層のみに許される『天然のお肉』食の時代。

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「食の洋風化」と叫ばれてから久しく、魚が相対的に高くなってきていることもあり、
日本で一日でも肉(meat)を食べないという人は、ビーガンでもない限り珍しくなってきたのではないでしょうか。
またひとえに肉といっても『WAGYU』と呼ばれ世界的にも珍重される日本の高級肉からブラジル産・タイ産の鶏肉までその価格帯や味はピンキリであり、更にホルモンが再度流行している上にジビエ・ブームもあり馬肉や鹿肉、ウサギ肉(ラパン)など部位のみならず元となる動物の種類もますます豊富になってきています。


しかし肉をこのまま日常生活で食することが出来なくなる可能性も生じ始めていることに留意しなければなりません。
単に各人の信義上の理由ではなく、環境面など様々な面で肉を巡る環境が厳しくなっているからです。
それに対して盛り上がりを見せているのが、「代替肉(Fake meat)」です。
代替肉とは(大抵)植物由来の異なる食物を利用して製造した「肉もどき」を指します。例えば、大豆原料に血を“演出”するためにビーツを混ぜ込んだ代替肉を提供するビヨンド・ミートは2019年5月にIPOを果たしたが、上場から僅か3か月で株価を5倍弱にまで伸ばしたのです。同社にはビル・ゲイツやレオナルド・ディカプリオなどの著名人が、また米食肉最大手のタイソンといった巨大企業が出資したことでも有名です。今回はますます注目を集める「代替肉」に関して紹介していきたいと思います。

(図表1 上場から3か月で5倍弱まで株価を伸ばしたビヨンド・ミート(BYND))

(出典:Yahoo! Finance)

そもそも食肉を避けるのは、元来宗教上の理由によるものが殆どでしたが、
ダイエットなどの健康的理由、更には“ファッション”としての忌避を始めとして欧米では徐々に広まってきたのは皆様も知るとおりです。健康面では、食肉が(大腸)ガンを誘発しやすくするといった臨床事例がますます集まってきています。そうした食肉忌避を更に加速している理由に、気候変動があります。
牛肉を典型として畜産では(1)穀物といった飼料を与える肥育、(2)牧草を与える飼育の2種類がある訳ですが、前者では大豆(かす)やトウモロコシなどの飼料作物の成長に大きく影響を受けることとなります。後者では牧草が育つか否かに大きく依存することとなります。
前者で問題なのが、かたやアフリカなどで食糧難が生じている中で、敢えて飼料として穀物を用いることに対して批判があることです(無論、バイオエタノールなどでも同様の批判があるのですが)。それだけではありません。大豆やトウモロコシは発芽や成長などの各生育過程で気候に変化が生じると、枯れてしまったり生長不順を簡単に生じたりと脆弱性が高いのです。
また後者ではオーストラリアやアルゼンチンが有名ですが、未だに深刻な被害を与えている森林火災がその生産に悪影響を与え得るのです(無論、森林再生を断念して畜産に火災後の土地を利用することもあり得ます)。

(図表2 オーストラリアにおける森林火災)

(出典:Newsweek)

食肉による健康上のリスクが“喧伝”され生産が徐々に困難になりつつある中で、食肉が贅沢になりつつあるのです。
ただし前述した代替肉に加えて新たに登場しつつあるのが、「培養肉」です。
米国だけでなくイスラエル、オランダ、更には日本でも工場で細胞を培養することで「製造」することを進めているのです。日清食品を始めとして日本の大手食品産業も「培養肉」に向けてその研究に投資しています。

富裕層は“天然に”生産した家畜を、一般層は“人工に”(培養して)生産した「培養肉」を食すという棲み分けが生じる日もそう遠くないのかもしれません。






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