2021年03月27日

ビジネスを知る:『ツール“事業計画”をうまく使い、事業の各現場指標(共通言語)を定義する』

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今回は『ツール“事業計画”をうまく使い、事業の各現場指標(共通言語)を定義する』について書かせて頂きたいと思います。

会計決算、M&Aや企業提携に伴う財務デューデリジェンスの領域では、数値化して分析を行い、組織が動くスタンスは当然のこととされています。経営指標としては色々なフレームワークもあり一般化されているのですが、事業現場ではこのように「数値で語り、数値で動く」動きが取りにくいという声を顧客現場でよく耳にします。組織の機能が部署ごとにそれぞれ分かれていて、「統合的に事業全体で見た時にパフォーマンスはどうか?」という問いに答えにくいというケースと売上予算で経てた数値が独り歩きして、「実行/推進の計画が連動せず、期初に立てた売上予算と大きく乖離した結果になってしまった」という二つのケースが多いです。

「事業計画の策定」という企業の“毎年恒例の年間行事”に対して、現場がどういった視点を持って関わり、動くべきなのかという観点で本コラムを通して、何らかの気づきを得て頂ければ大変嬉しく思います。(事業計画というと、管理会計を導入して、経営企画部が主導して作り上げる…というイメージをお持ちの読者の方もいらっしゃると思いますが、全体の組み立ては彼らに任せるとしても、あくまでも事業現場で考えないといけないイシューなのです)

事業計画の目的は、「戦略(注力すべきポイント、優先順位)と実行計画(営業+オペレーション体制とアクション、先行投資有無など)を連動させ、一貫した計画を作ること」にあります。戦略から現場での実務・実行まで一貫した数値・指標を元に、事業体として足並みを揃えて動けるか?という点が重要になってきます。そのためには、営業利益ベースで議論ができることが前提です。

※今回は特にざっくりと見がちな「人件費」について取り上げています:

活動計画を元に、具体的に何のアクションを元に何を達成するのか?という視点が最も分かりやすく、そして重要です。初期投資や販促費などは比較的数値化されやすいのですが、最もこれが見えにくいのが人件費です。ざっくりとした「人件費」ではなく、何のタスクに対してどれだけの工数を使ったか?という費用認識が重要であり、各活動に対してどれだけの工数がかかるのか、もっと言えば、どの取引先に対する営業活動につき、どれだけの費用(人件費コスト)をかけて売上を達成すべきなのかという議論ができてくるようになります。

筆者の経験上、ITシステムに関わる会社は収益性が見えやすい事業体です。ケースが多いです。人月工数(h)を元に開発コストを出し、決められた基準に沿って資産化有無を決め、サービスとしての売値を決めることが恒常化しているためです。つまり、コストと売りが明確に紐づいているから収益性が見えやすいと言えるでしょう。ITに関わらず、「売り」を達成するための「コスト」という基本的な繋がりがしっかりと数値化され、現場の動きに連動すべきなのです。

売上粗利ベース(前回ケーススタディで上げた卸売業の場合は商品粗利額が該当します)で、収益性を考える事業体も多く存在し、あらゆる施策を講じてみたものの、結果として人件費・投資コストがかかり営業利益ベースではなかなか黒字化達成できない、という事態に陥ってしまいます。困難な状況を切り抜けようとして生み出した渾身の施策が、最終的には赤字を増やしていたという“シャレにならない”ケースも起きているのです。(これらもしっかりと数値を元に判断し、行動計画と実績をモニタリングしながら推進するだけで大きく結果は違ったことでしょう)

お伝えした上記の発想に近い例を一つご紹介します。
製造業ではMRPシステム(Material Requirements Planning)が1960年に考案され、あらゆる大企業に導入されています。資材調達を顧客からの受注と需要予測を並行させ、予想需要を事前に捕らえることにより、在庫圧縮と不足の解消を実現しています。ここでのポイントは、需要予測を元に調達コスト・人件費コストなどあらゆる生産に関わるコストを最適な状態で計画できるように支援するシステムだということです。売りとコストの計画連動をシステムで実現した良い例です。

売上や利益を達成する上で必要な行動計画、それに対して具体的な売上達成額とコスト(販売管理費)が明確に紐づき、しっかりと見える化させる必要があります。これを「共通言語」とすることで、戦略⇒実行、そして売りとコストに一貫性を持たせることができます。その上で、それぞれの行動計画がしっかりと遂行され、成果に結びついたかという観点で管理をすることで部門を跨いで現場が同じ方向を向いて動くことにも繋がります。数値というツール、「事業計画」の検討を良い機会と捉え、事業の現場指標(共通言語)を定義することをご提案し、今回は締めくくりたいと思います。







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